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家に着いた頃には手首はだいぶ腫れていた。
膝もどんどんドス黒くなっている。
兄はそんな私の手首や膝をスマホで撮影した。
翌日念の為に病院へ行くと、骨に異常はなくて一安心。
兄の指示通り、診断書を書いてもらった。
私はその足で会社に向かった。
本当は明日まで有給を貰っているのですが、病院で手首の捻挫は2〜3日安静にと言われたので、今週いっぱい休みにしてもらえないか相談しに行くことにした。
休みであるはずの私が会社に現れ、職場がちょっとざわついた。
私は気にせず上司のところへ行き、
「別室でお話よろしいですか?」
というと、空いている会議室に向かった。
「明日まで有給のはずなのにどうした?それに、その怪我…。」
上司は包帯の巻かれた私の手を見て、何があったのか聞いてきた。
私は昨夜起こったことを正直に上司に伝えた。
またドス黒いアザとなった両膝を見せ、さっき貰ったばかりの診断書も見せた。
上司は『大変だったね。』と同情した表情で言い、『今は忙しくないから、大丈夫。』と今週いっぱい休んでいいと言ってもらえた。
会議室を出て上司に頭を下げて帰ろうとしたとき、後ろから声をかけられた。
振り返ると、同期で友達のC美の姿があった。
「A子、あんた今頃B助先輩と温泉じゃなかったの?それに、その怪我…。」
私とC美は給湯室に場所を移し、C美にも昨夜起こったことを話した。
またスマホで撮った、旅館の人を怒鳴りつけている動画も見せた。
「最低…。彼女突き飛ばして出てって、フロントで宿泊費返せとか怒鳴ってるとかありえないんだけど。A子帰っちゃったのに、B助先輩なんの連絡もないの?」
「いや、即ブロックしちゃったからわかんない。」
「即ブロックしたの?w」
「したよ。もう顔も見たくないレベルでイヤ。同じ会社なんてホント最悪だよ。」
「私は別れたあと気まずいから、同じ会社の人と付き合わないことにするわw。」
C美と話して笑って、少し気分が良くなった。
『また来週ね。』と言って、C美は職場に戻っていった。
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