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取られる事の無いコール
もう、貴方の事は忘れたほうがいいの?
もう、連絡帳にも入れていない、貴方の連絡先。
消すまでに、1ヶ月掛かったのよ?
消してからも、指が、心が、体中が覚えてしまった、貴方の連絡先。
連絡帳から選択しないでも、貴方の電話番号をコールする事ができる。
ダメな事だとは理解している。
この取られないコール音だけが、私と、貴方を繋ぐ。細い。細い。細い。一本の糸。
けして繋がる事がない。一本の糸。
あれから、コール音を何回聞いた?出るはずが無いコール。1回、2回、3回、4回、解っている事だけど、コール音を聞くのは辛い。6回。
私は、決心した、もう揃っている。明日は、出かけられる。
解っている、それが正しい事だと・・・
ねぇ解っている?貴方が私にしてくれた事。
ねぇ知っている?貴方が私の全てだったってこと・・・。
ねぇ感じている?貴方が触った私。私が触ることができた貴方。
ねぇ考えている?貴方のスマホのパスワード、私の誕生日だったのを知った時の喜びを!
ねぇ教えてよ!私は、私は、貴方を愛していたの?
ねぇ教えてよ!貴方は、愛してくれていたの?
ねぇ教えてよ!もう触る事ができない貴方。私は、どうしたらいいの?
”さよなら”
この4つの言葉で作られた、一番いいたくない言葉。一番言われたくない言葉。
でも、一番言えなかった事に後悔が残る言葉。
貴方は、教えてくれたよね。
”さよなら”
は、別れの言葉じゃない。また合う約束の言葉。
貴方は、私に、”さよなら”を言わせてくれないのね。
”さよなら”
私が、愛した人。
”さよなら”
私を、愛した人。
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