第十一章 DNA遺伝子の進化

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「そんなの、さっき言っただろう」 「行方不明になった、お母さんを探す為でしょ……」 「えっ」 「高校の時、話していたのを聞いてしまったの。まだ覚えているのよ。男を作って夜逃げしたと、あなたは聞いていたけど、お父さんが、実は警察に捜索願いを出していたって、……別に依頼してあった探偵から、三年後に、捜索打ち切りの連絡があったって。『消息不明で分からず』」   木村は手に持ったビール缶を、前に投げ捨てた。土と砂が混ざりあった地面、ガサッと擦れる音がした。 「あなたは、まだお母さんを探しているんでしょ。七年経っても消息が分からないと、死亡したと判断されて、戸籍も抹消される」
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