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「いや、あいつとは一緒にいたく無い。話は長いし、詰まらない。だらだら長く落ちも無い。しゃべるだけならまだいいが、手先は不器用、だから繕い物は全く駄目。気立てが悪く気が利かないし、気が強い。おまけに雑で、掃除も雑と、何もかもが半人前の役立たず。だけど食うのは人一倍だが、好き嫌いばかりのわがまま女。これではやってられぬわい」
「武家なら女中ぐらいいるもんじゃねえの。禄高は。まさか三一じゃあなかろう」
全休はびくっとして黙ったが、えへんと咳払いをすると、
「当家は御目見得を許された五百石取りの家柄。もちろん女中ぐらいはおるさ」
と言った。
「しかしまあ、長い身の上話だな」
「お前が聞いたのだろ!」
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