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グリーンと同じ格好をした二人の男が大きな鞄を肩に提げてやって来る。
キャップに赤い缶バッチがついた男は長身で明るい髪が肩口についている。青い缶バッチをつけた方の男は体格が良くティシャツの袖から伸びる腕にはしっかりとした筋肉がついていた。
二人は無言のまま軽く頭をさげて、俺たちの前を通り過ぎていく。
レッドとブルーに合流したグリーンは背筋を伸ばした。
「それでは今日も元気に健やかに、楽しくお仕事をはじめましょう」
三人が死体を取り囲む。
ブルーが鞄を下ろした。金属がぶつかり合うような音が聞こえて来る。
黒ずくめの男たちが死体を囲んでしゃがみこんだ。
俺たちが殺した人間は、黒い彼らの影に覆われ見えなくなっていく。
陽の差さない路地の奥、立ち込めるような薄暗さも手伝って、掃除屋の三人の姿は溶け込んで行く。輪郭すら曖昧にぼやけて暗い場所に沈み込んで行くようだった。
「なんかカラスみたいだね」
現場をあとにしながら明石が呟いた。
「死体に群がるカラスだな」
「なるほど掃除屋さんだ」
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