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「お邪魔しま~~す」
ヤケに爽やかな声が聞こえる。
「あ~うちのバカ息子まだ寝てるのよ。昨日私が潰しちゃって!あははは」
声デカイ、頭にヒビク。母親と飲んで負けるってどういうこと?頭いたい、幸い胃は踊ってないからまだマシだけど。
「さとちゃん、顔むくんでるね」
ひんやりしたコウタロウの手がオデコに降りてきたから「ん」とちょいと甘えた声がでてしまった。
「おばさん、さとちゃん、ここで寝た?」
「そ~~なのよ、さっさと起きなっていってるのに転がっててね。起こしてちょうだい、こーちゃん」
「は~~い」
まるで純真無垢な隣のお子さんな顔だったコウタロウが……そのコウタロウが!
「さとちゃん、おきて」
そう囁いて俺の頬に手をあてた。
「あっ」
思わず声が漏れる、お隣のイイコのコウタロウは俺の腰にくるバージョンに変身していた。
「さとちゃんの匂いがする」
「コ……ウ」
いかん!ここは実家だ!甘ったれた声を出している場合じゃない。ガバッと起きた、シャワー浴びるために。
「おはよ」
おはよじゃね~~よ!俺はそのままズカズカ浴室に向かって、シャワーを浴びる。
『サトちゃんの匂いがする』だと?真夏にソファに転がっていたら汗かくし。コウタロウだって俺のこといっつも汗だくに……うわあ!いかん、いかん、ここは実家だ。新婚の夫婦が旦那の実家にいったらこんな感じなのか?そうなのか?(旦那は俺?コウタロウ?微妙すぎる)
俺明日札幌帰っちゃおうかな~松田と遊んでいたほうが楽しい。すでにお疲れモードなんですけど!
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