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先輩の細いようで、長くゴツゴツとした男らしい手を見ながら、私、徳山梨園はどこか悲しげな表情をしていたと思う。
自分で言うのはなんだが、可愛いと褒められた顔をしているつもりはない。血色が悪く、時に体調不良を心配されるレベル。本人はとても元気だと言うのに。
図書室にある席に適当に座っている先輩がわざわざ私を見つけて私のところへ来てしばらく経った今、私は静かに本を読む先輩をただ見つめる事しか出来ずにいて、話しかけようにもタイミングが分からないでいる。
所謂チキンと言われても仕方が無いと思う。
肩より少し長めに伸びた髪の毛をいじりながらどうにかして話すタイミングを見つけようとする。
その度に視界に入る先輩の綺麗な髪と、綺麗な瞳にウットリとして、見惚れてしまう。
なんと美しくて、純情可憐なのだろうか。私は心の中でそう呟きながら軽いため息をこぼしながら頬杖をついて時計を眺めた。まだ、時刻は7時15分。ホームルーム開始までに1時間は余裕がある。
テスト勉強のために朝早くに起きてわざわざ図書室に来たと言うのに……まさか先輩が来るなんて思いもしなくて……。
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