はじまる

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「こいし、うしろよ・・・」 慌てて振り返ると、そこには私が座っていた 「え・・・わた・・・し?」 「そう、なずなだよ」 こいしだった私がニヤリと笑う。 私は自分の手を見てみた。 細くて長い指。 透けるような白い肌。 髪を触ると、サラサラとして胸までの長さの白銀の美しいかみだった。 「ほんとに、私がこいしになってる」 「そうよ、今日からあなたがこいし、私がなずな。 よかったね、夢が叶ったよ。 違う自分になりたかったんでしょう?」 私は、こいしだったなずなの口ぶりに不安を覚えた。 「ねえ、かえしてくれるんだよね? ちょっとだけ交換したら元にもどるんだよね?」 なずなはククッと笑う。 「ずうっとこの日を待ってたのよ。」
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