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「おいおい内藤。今日、総務に来た中途採用の女の子見たや?」
二階の社員食堂で、いつもの入口近くのテーブルに着くなり、同期の黒木が目を輝かせて言った。
(面長の顔に高い鼻、獲物を見つけた猟犬の表情をしている。今にも涎(よだれ)を垂(た)らしそうだ)
「もちろんたい。笑窪が可愛い真奈美ちゃんやろ」
余裕で返す舜。
「お、お前、何(な)んで名前まで知っとうとや?誰から聞いたとや?」
あせる黒木。
「そんくらい常識たい。お前、営業のくせしてから、情報収集能力に問題ありやね」
1ポイントリード。
(本人から聞いたと言ったら、黒木はひっくり返るだろう)
「*しぇからしか!内藤、あん娘(こ)、誰かに似とうと思わんや?ほら、テレビドラマに良う出て来るやろうが」
「そうたい。俺も朝からずーっと考えよったったい。ここまで出て来ようっちゃけど」
舜は喉元を抑えて見せた。
「分かった!」
舜が小さくガッツポーズを作った。
「となりの美代ちゃんたい!」
「おお!『*時間ですよ』!」
頷く黒木。
2ポイントリード。
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