0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
「おいおい、水盤ちゃ、何(な)んや?」
一人蚊帳(かや)の外の黒木が、無理やり会話に割り込んでくる。
(*しろしい奴だ)
「水盤ちゅうたらくさ、浅くて平べったい花器たい。睡蓮とか、蘆(あし)ば活けるったい。ちゅうても、お前に分かるカキは、これぐらいやろ」
舜は目の前のカキフライを指さした。
「いいや、木に生(な)っとう柿も知っとうばい、あはは・・・」
へこたれない黒木。大口を開けて笑っている。
「真奈美ちゃんの趣味は何(な)んね」
舜が聞いた。
「生花と旅行と読書です」
「うん、俺と趣味が合いそうなのは、旅行だけやなあ。真奈美ちゃん、今度一緒に行こうか?」
「こら、黒木!」
舜は黒木の太腿を殴った。
真奈美は苦笑した。
*しろしい・・・うっとうしい
最初のコメントを投稿しよう!