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「おいおい、水盤ちゃ、何(な)んや?」  一人蚊帳(かや)の外の黒木が、無理やり会話に割り込んでくる。 (*しろしい奴だ) 「水盤ちゅうたらくさ、浅くて平べったい花器たい。睡蓮とか、蘆(あし)ば活けるったい。ちゅうても、お前に分かるカキは、これぐらいやろ」  舜は目の前のカキフライを指さした。 「いいや、木に生(な)っとう柿も知っとうばい、あはは・・・」  へこたれない黒木。大口を開けて笑っている。 「真奈美ちゃんの趣味は何(な)んね」  舜が聞いた。 「生花と旅行と読書です」 「うん、俺と趣味が合いそうなのは、旅行だけやなあ。真奈美ちゃん、今度一緒に行こうか?」 「こら、黒木!」  舜は黒木の太腿を殴った。  真奈美は苦笑した。 *しろしい・・・うっとうしい
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