6/6

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
(やけに眠い。昨日は飲みすぎてしまった)  青木さんと井上には、くれぐれも気を付けるようにと真奈美ちゃんに注意してタクシーに乗せた後、〈礼子〉で黒木と飲み直したのだ。  〈礼子〉は舜が学生時代からの行きつけのスナックである。高級店が並ぶ西中洲なのに、ボトルキープが有れば3千円で飲める。カウンターだけのこじんまりとした店で、7、8人も入れば満員だ。高立地で安価な店、そしてなにより魅力的なのは、ひとりで店を切り回している礼子ママがチャーミングなことだ。お客は常連ばかりで、礼子ママ目当ての客が殆どだと舜は睨んでいる。と言う訳で、舜は角ビンのキープを絶やしたことが無いのだ。   礼子ママは、舜と黒木が何度も繰り返す真奈美の話を、ニコニコと聞いていた。          正々堂々と戦う事を何度も誓い合って、黒木と別れたのは、2時だったか、3時だったか。 「真奈美ちゃんの趣味は何(な)んね」 (ああ、思い出すと、気恥ずかしく成るなあ。ドキドキしながら、真奈美ちゃんに質問したっけ。女性にお近づきに成る為には、趣味から入るのが定石(じょうせき)だからね)                      趣味なぞを 軽く尋ね て 序盤戦 《選評》  訊くまでもなくこれが趣味なんですがね。 (はい、僕の趣味は、川柳です)
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加