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「桃子遅い!」
部屋に入るなり、桃子の一番上の姉、桜が振り向き様に言い放つ。
「ごめんなさい、部活で遅くなりました。」
桃子は、そう言って頭を下げた。
「いいから、早く座りなさい。」
父親の、悟が優しく語りかける。
桃子は、下の姉の杏子の隣に座った。
「では、始めますか。」
父親の悟、そして3人姉妹の桜、杏子、桃子が並ぶ席の向こう側に
新しい母親と連れ子の3人。
新しい家族の御対面の瞬間である。
鞄を足元に置いて、少し落ち着いてきた桃子は、正面に座っている男の子に目を向けた。
「えっ。」
言葉にならない驚き、いや衝撃が走る。
「どうして、貴方がいるの?」
桃子の心の声が聞こえたのか、男は目を合わせた後、気まずそうに顔を背けた。
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