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「好きやねん付き合ってくれへんか? 『えっ?やねん……ってどういう意味?』 あっえっと、好きだからみたいな感じかな?あのなんというか、亜美もおれのこと好きだったら、いいなみたいな……いや、なんでもないです!!……ってなったらどうすんねん!!」
「なるかー!! お前、大阪弁を異国の言葉やと思てんの?
ほんで万が一、それで伝わらへんようならそんなやつと付き合うな! 付き合えても、その後の会話が心配やわ!」
「その辺は愛でなんとかなるやろ!!」
「おぉ、お前の気持ちが強いのだけは伝わったわ」
高二の始め、東京の高校から転校してきた亜美に、克也が一目惚れをした事を知っているのは隆と、隆の彼女で亜美とも仲のいい美香だけだった。
それから三ヶ月、度々隆に相談を持ちかけていた。
そしてようやく来月、近くの河川敷で行われる花火大会に四人で一緒に行く約束を彼に取り付けてもらった。
そこで亜美に人生初の告白をしようと考えていた。
隆が考えた作戦はこうだ。
隆と美香を二人きりにさせる為に気を遣うフリをして、克也と亜美を二人きりにする、というものだった。
ベタ過ぎるという反論に、こういう時は奇をてらわずにシンプルな方がいいと彼は一蹴した。
こと恋愛に関しては隆の方が一枚も二枚も上手だったため、これ以上の反論は無意味だと諦めた。
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