側に居たくても

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あたしはゆっくりと身体を起こし、小さく鳴いて感謝の意を伝え、モソモソとご飯を食べ始める。 唯一救いがあるとすれば、食欲までは落ちていないということくらいだろうか。 「……ごめんね、ユメ。辛い思いしてるのに、助けてあげられてなくて。絶対、ユメの病気治せるよう何とかするから、もう少し頑張ってね」 ご飯を食べるあたしの、まだ比較的症状が現れていない部位をそっと撫でながら、明美は困ったような声音でそう声をかけてきた。 あたしは食事をするのを中断し、明美を見上げる。 目を合わせ、信頼の意味を込めてまた一度小さく鳴いた。 明美は何も悪くない。これ以上ないくらいに、あたしへ良くしてくれている。 一人暮らしで、生活も大変なはずなのにあたしのために大切なお金を使って、それでもいつも優しく微笑んでくれている。 ここまでしてくれているだけでも充分なくらいなのに、これ以上頑張ろうとなんかしないでほしい。
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