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こんな所で食べててもむなしいだけなので、ひっそりと図書室にでも移動して食べる事にしよう。
私は、お弁当の袋を下げて、そそくさと教室を出た。
たぶん、私一人出た事なんて誰も気づかないでしょうけれど。
ここでもし、一人でも「佐々木さん」って呼び止めてくれる人でもいれば、立ち止まったと思う。
だって私、まだ、完全に一人になる事を決めた訳ではないから、まだ友達作りもあきらめていないから。
残り、1%の可能性だって信じていたいから。
ふう…それにしても、図書館って落ち着くわ。誰もいないこの静かな空間がなんとも言えない。自分が一人でいることでも、全然気にならない。
たくさんの本たちが、やさしく私の存在を受け止めてくれる感じ…な~んて大げさかな。
でもそれぐらい私にとってここは、落ち着く場所。
独特の静まり返った空間がとても心地いい。きっと、私、前世は図書室の本だったんだろうな(笑)
本の世界はいいな。ページをめくれば、時間とか飛び越えていろんなところにトリップできるし。
あ、いかん、いかん。お弁当食べるの忘れるところだった。本当は、図書室では、飲食禁止だから、お弁当なんて食べてはいけないんだけれど。
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