キンコンカンコン

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 何故かこの時間帯は、誰も人が来ないみたい。司書の先生は、となりの事務所みたいな個室でお昼とか食べてこもっているし。  それにお昼休みは、友達がいる人なら、みんなでわいわいいいながら食べるから、こんな所に来る人なんて思いつきもしないと思う。  だからいいんだ、別に。ここでお弁当食べようが、誰もいないし、誰も知らない。  さあて、今日のお弁当は何かな?私の大好きな、唐揚げ入っているといいな♪ 「やった♪唐揚げ入ってた!うれしい!」  お母さん、ありがとう。  食べたい時に、期待通りに食べたい物が入っていると本当にうれしい。 「ううっ。おいしい!」  おいしいものを食べている時は、何でこんなに幸せな気持ちになるんだろう。この時だけ、一人でいる事を一瞬忘れそうになる。マッチ売りの少女もこんな気持ちだっただろうか?マッチをすっている間は、幸せに包まれていたんだろうか?  小さい頃に読んだこの話が、一瞬よぎった。なぜか一人になるとこの話がいつも浮かんできた。  でも、私はマッチ売りの少女ではない。一人で孤独かもしれないけれど、それは学校の中で友達がいない事だけだし。家に帰れば、父も母もいて、それに何より帰る家がある。これだけでも、世界中の中で見たらどれだけ恵まれているかを感謝しなければいけないかもしれない。     
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