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アシンメトリーにふわりと流れる髪は実はただの天パである、というところ以外は盛っていない。我ながらどこの二次元だと突っ込みたくなる。
「まじ超イケメン」
「やばいー、背高いし顔ちっちゃあい、やばあい」
このあとの展開を知っているので、彼女らを特に気にはしない。淡々と掲示板に目を遣るが、人が多くてお目当ての授業はなかなか見つからない。
「ね、話しかけてみよっか」
「ええ、ミホちゃん勇気ありすぎー」
「やめたほうがいいと思うけどなぁ……」
うん。俺も同意。
「あの、何科の人ですかー?」
うわ。本当に話しかけてきたよ! ミホちゃん積極的すぎだろう。
イヤホンを片耳だけ外して振り返れば、いかにも女子大生といった感じの、ふわふわ~な頭にふわふわ~なお洋服を着た女の子が俺を見上げていた。う、可愛いなクソ……。どうせこの後の展開は分かっているのに、ほんの少しだけ期待してしまう自分が悲しい。
「えっと……工学科だけど」
「あたしデザイン科の二年なんですけど、何年生ですか?」
「に、二年」
「きゃあ! 同い年」
リアルに『きゃあ』とおっしゃる女子をはじめて拝見いたしました。ちょっとクラッときた。ダメだ、押されるな俺! 敵の策であるぞ!
「あの、何の授業探してるんですか? あたし小さいから前のほう潜っていって、見てきましょうか?」
「いやいいよ、そんな……」
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