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窓際の席でイヤホンを嵌めなおし、俺は盛大に溜め息をついた。
今まで何度も言われてきた。その辺のモデルや俳優より格好いい、テレビ出てそう。芸能人になればいいのに。そして、こうも言われてきた。「こんなに残念なイケメン初めてだ」と。
そう言われても、オタクなものは仕方ない。俺はアニメや漫画やゲームが大好きだ。それらに登場する萌え萌えな女の子たちも大好きだ。この趣味をやめる気も隠す気もない。
先のミホちゃんの例のように、この顔に魅かれて寄ってくる女性は少なくない。しかし皆俺のオタクっぷりを目の当たりにするとゴミを見るような目で逃げてしまう。よって最近では、いっそのことオタク趣味を隠さずオープンにしていた。意図的にひけらかしている節すらある。それはそれで面白い人と認識されて注目されるので困っているのだが。
「よーっす周藤! 何聴いてんのー?」
「よくぞ聞いてくれた! これは先週発売されたわが嫁のキャラソンでだな、」
「嫁? キャラソン?」
「あー贔屓のキャラクターのことを、嫁って言うらしいぞ」
「何それ超うけるー」
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