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けたけたと笑うのは同じ工学科の同期のみなさん。先の山田くん(だっけ?)を含む三人組だ。彼らはみな、オタクとは縁遠い『リア充』と呼ばれる奴らだ。いつも三人組なので俺は心の中でリア充三銃士と呼んでいる。
漫画はアツい少年漫画しか読んだことがなく、家にいるよりも友人たちと街へ繰り出すことを好み、ファッションや髪型に気を配る、オタクには理解しえない生き物。それが彼ら『リア充』だった。俺にリア充が理解できないように、彼らはオタクが理解できないらしい。それを嫌悪するでもなくこうして面白がってくれるのはありがたいが、まあノリは合わない。
超絶オタクな俺がこうしてリア充にも受け入れられている点だけは、この顔に感謝している。オープンオタクの宿命として、クラスから浮き、教室の隅を棲家とするしかない悲しい風習がこの世には存在しているが、俺は何とかその憂き目から逃れていた。
俺が彼らに溶け込むことができているのは、ひとえにこの顔のおかげだ。イケメンでありさえすれば、リア充と一緒にいてもそうそう浮くことはない。
「ほんと飽きねーなぁ、周藤は」
「俺が嫁に飽きることなんて、あるわけねーだろ!」
カッと目を見開いて言ってやれば、リア充三人組はヤレヤレとでも言うように一様にあきれた顔をしながら、それぞれの席へ戻っていく。俺は音楽プレイヤーの音量を上げた。高すぎないアニメ声が耳朶をくすぐる。
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