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１
うおおおおおおやべええええええ。
漫画やライトノベルなんかの活字でしか見たことがないような叫びが、思わずリアルに出そうになるほどに。それほどに、『それ』は鮮烈に俺の目に飛び込んできた。
「ご、ごめんなさい……」
足元にしゃがんで見上げてくるのは、少し吊り目だが黒目が多くて柔らかい印象を与えるブラウンの瞳。ごめんなさい、を何度も繰り返す、小さくもきゅっと引き締まった唇。そして、指先で撫でたならばしゅるりと音がしそうな艶のある黒髪。
――これだ。俺の中で何かにボッと火がついた音がした、気がした。
「ごめんなさい本当に、わざとじゃないんです、ほんと、全然周り見てなくて」
なおも謝罪と言い訳を繰り返すのを丸っと聞き流し、その相手の手をとる。白くて小さな手。すべすべとして可愛らしいその手をぎゅうっと握り、そして全力で叫んだ。
「まさしく俺の嫁！」
「……はい？」
ああ、生きててよかった。ずっと液晶の向こうから愛でてきた俺の理想の女性が具現化して、今、目の前に居る。やっと画面から出てきてくれたんだね。
――惜しむらくは、『それ』がまぎれもなく男であったということだろうか。
話は数分前に遡る。
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