約束の手紙

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約束の手紙

「これを君に渡しておきたい」 美怜が亡くなってから1週間。 自宅にある人物が訪ねて来る。 「これは……」 「美怜のいた病室の引き出しに入っていたものだよ」 訪ねて来たのは美怜の父親だった。 俺が受け取ったのは1通の手紙とメッセージカード。 『私の最初で最後の彼氏へ』(手紙) 『手紙は約束の花火大会で花火を見ながら読むこと!それまで見ちゃ駄目だからね!!』(メッセージカード) という内容だ。 「必ず行くよ……花火大会……」 それから時は過ぎ……新たな夏が始まるのだ。 「1年前、君は言ったよね……またふたりで花火を見ようって……」 真夏の空。 星が点々輝く大空に夏の風物詩は盛大に咲き誇る。 美怜と行った1年前と全く同じ場所で俺は独り花火を見るのだ。 誰にも邪魔されず独りで、 彼女が残してくれたあの手紙を開けるために……。
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