去る夏の思い出

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去る夏の思い出

「1年前、君は言ったよね……またふたりで花火を見ようって……」 真夏の夜空。 月明かりを超えて煌々と輝くのは色鮮やかな花火。 黒染まる中に顔を覗かせる星ぼしをも消し力強く咲き誇る夏の風物詩は散ってゆく中で何を語り、何を訴えているのだろうか。 誰もがその迫力に心を奪われ、目を釘付けにされてしまう。 大きく咲き誇っては散り、また咲いては夜空に消えていく。 儚くも短い命だが空をかき分け必死で大空へと昇る瞬間は、 どれくらいの大きさなのか──、 どんな色で咲くのか──、 どんな形を見せてくれるのだろうか──、 そんな期待を自然と誘うのだ。 そんな花火大会は、毎年夏の思い出になることだろう。 一生に一度の思い出になることだって……あるかもしれない──。     
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