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夢だった
夢だった。
夢の貴方は、私にそっと語りかけた。
私は、悔しかった。
夢だから。
気づいてしまえば、目覚めてしまえば、貴方が消えてしまうでしょ?
この世界に創り出された貴方は、優しいから。
私の都合のいいことしか言わない、酷いひと。
夢ですら、私から離れようとするのね。
なら、貴方なんか、もういらない。
私は、貴方の嫌いなくっさい香水を全身に塗りたくった。
貴方と同じ香り―――それこそ、穢らわしい。
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