【prologue】

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時は2998年、30世紀も終わりに近づいた現在では太陽の活動は衰え始め、同時に地球は自転能力をほぼ失っていた。 太陽の刺す地表は最大100℃近くまで温度が上がり、日が沈む夜には -50℃以下に下がる。 最早普通の生物が存在できる環境では無くなっていた。 ある場所に直径1km程の巨大な穴の空いた場所がある。 地表から見えない程深く続いている穴の底には巨大な地下都市が存在し、人々はここで生活している。 穴の真下に主要都市があり、背の高い建築物はここに多く存在している。主要都市を中心にどこまでも続く街は、地上に繋がる穴から離れれば離れるほどに廃れ、ガラクタの様な民家に変わっていく。 匙はこの地下都市の生まれだ。 時は遡り(さかのぼり)匙は今、地下都市の学院で講義を受けている。
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