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「ところでまゆ、Alga.とまこはどうした?」
「Alga.は学院で警備を担当してますよ、今日の23時までと言ってました。まこは学院地下でジオラのメンテナンス中でしょう?」
あぁ、まこはそうだった、と匙は呟く。
Alga.。第1小隊の隊員だ、狩猟者準2級。弓矢の達人で、弓を引き絞る時間が長ければ長いほど威力が増す剛弓モーメントゲイルを愛用する。
第4小隊隊員、まこ。補助者準1級。
兵器開発の第一人者でもある彼は、自分が製造した有人の人型兵器、鉄の処女(アイアン・メイデン)に搭乗し、戦闘にも参加している。
討伐班の皆が持つ特殊な武器もそのほとんどがまこと、ナツが試行錯誤して作成した物だ。
「そうか、Alga.が来ないんじゃ小隊演習は無しかな」
「淡雪がいるのですから出来るでしょう?元々第1小隊は2人だけじゃないですか」
Alga.は最近第1小隊に入隊したいわば新人エリートだ。元々警備担当を行ってた為、討伐に参加した事もまだ少ない。
「今更淡雪と2人で演習しても新鮮味も無いからいいんだよ。それぞれの役割は決まってるしな。それに今の淡雪は俺に対してあんな感じだし」
淡雪は2人の元を離れ演習の見学をしている。
「また痴話喧嘩ですか」
「痴話喧嘩って言うなし。そんな大したことじゃねぇよ。まぁとにかく隊演習はしなくてもいいだろ?」
「個人演習はしっかりやって貰いますからね」
「はいはい」
まゆに睨まれて匙は肩をすくめてみせる。
個人演習くらいなら2~30分で終わる。そのくらいならやっておいてもいいか。
「今何時だ?」
「今はちょうど20時くらいですね」
匙に聞かれて手元のデバイスを確認しながらまゆが答える。
「今回も集まるんですか?」
「当たり前だ、恒例行事だろう?誰かさんが地上で良い食材を狩ってきてくれるだろうしな」
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