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「5日後のライブ、楽しみにしてるぞ」
「あなた来るんですか!?」
まゆが素っ頓狂な声をだす。
驚いた。匙はこの手のものには興味がないと思っていたのに。今まで5回ほど行われたライブも、チケットを優遇してやったが来たことは1度も無かった。どういう心境の変化だろう。
「あ、俺が興味ある訳じゃないぞ。」
匙が苦笑しながらポケットからチケットを取り出し、ひらひらと振ってみせた。
「たまには淡雪を喜ばせてやろうと思ってな」
「あぁ、淡雪の為ですか。本当に、匙は彼女の事が好きですね」
「そんなんじゃないって何回言わせるんだよ…」
呆れたようにつぶやく匙だが、顔が少しにやけている。匙は淡雪の事が大好きだ。淡雪も討伐班の皆も知っている。当の本人は隠しているつもりらしいが...。
「まぁとにかく、ライブは楽しみにしてるよ。俺はさっさと個人演習終わらせてくるわ」
逃げる様に匙はまゆの元を離れる。
いい加減素直になればいいのに。まゆが呆れながら匙を見送る傍ら、
淡雪はチケットを見せたら喜んでくれるだろうか。今更ながらPrince4の4人は超多忙だな。俺だったら気狂いしそうだ。
他人事の匙は呑気にそんなことを思っていた。
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