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鹿児島市より海を右手に車を走らせる。目に写るのは桜島。今日も元気に灰を吐き出している。モクモクと。鹿児島に住む者にとってみれば見慣れた日常の風景。されど県外、特に東京なんかの遠く離れた地に暮らす者にとってはそうじゃないらしく。
つい先日、二年間の出張から戻った友人のスマホには「噴火したらしいけど大丈夫!?」なんてラインがひっきりなしで大層賑やかなことになった模様。精々風向きで洗濯物干すのに困るくらいなんだが。人望に恵まれたようで羨ましい。おかげで暫く充電切れに陥り彼女と連絡できず、拗ねられ困ったらしいが。ちょっとざまあみろと思ったのは内緒だ。
海沿いの道から街中へ入ればそこは姶良そして加治木。さらにそこを通り抜け山道へ。山道を登りお茶の産地で空港を有する溝辺を通りすぎ山道を抜ければ目的地、ではない。
距離的に半分を過ぎたくらいといったところか。ここまで大体一時間程か。
目的地である伊佐市へはここから横川、栗野…じゃなかった湧水町と行った先にある。湧水町は何年か前に栗野という地名から湧水の町として新たになった地域である。伊佐市も同じく伊佐と大口が合併して出来た、菱刈金山と伊佐米や東洋のナイアガラと呼ばれる曽木の滝で有名な場所である。
鹿児島では。多分。恐らく。全国区?知らぬよそんなこと。知ってる人は知っているんじゃないかな。まあ田舎であるし。でも旅行先で時々゛鹿児島の伊佐米使用゛って飲食店は見かけたりしたからそれなりだと思う。
鹿児島の市街地から下道をひたすら走り約二時間。夏は鹿児島の沖縄。冬は鹿児島の北海道。そんな鹿児島の北に位置した寒暖差の激しい盆地にある伊佐市。ようやく到着。
高速を使えば一時間少々で来れたものを…。そう考えると金欠とは憎いものである。昨晩のさつま揚げにきびなごの刺し身、黒豚の角煮そして焼酎とビール。美味かったです。
お陰様で財布がぺらっぺらで軽い軽い。お尻のポケットに本当にあるのか不安に感じるね。あ、そういや食材がないんだった。我が家の一人用冷蔵庫の悲しい現状を思い出す。味噌なんかの調味料しか入ってねぇ。はぁ。嫁がほしい。この際同居人でも可。
まあそんなことは川内川にでも投げ捨てて、と。どこかで少しばかり下ろさねばならぬか。となると…大きな河童の像が目印な我が母校たる菱刈中学校の傍にあるコンビニへとハンドルを向けた。
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