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『ママは、今度こそ本当に反省しました。
何年も長い間あなたを甘やかしてしまったことを、本当に本当に後悔しています。
大学を中退してから、ずっと勉強も仕事もしないでゴロゴロしてるあなたのことを、パパがどんなに心配していたかわかる?
そのパパが死んでしまったのに、これまでと全く変わらないあなたの姿を見て、今度こそママも心を決めました。
パパは、あなたを叔父さんのお店で住み込みで働かせようって言ったのよ。知ってる?
叔父さんも、ぜひあなたをよこしてくれって。
その時、ママは反対したの。ありがたいお話だったけど、その年になるまで働いたこともないあなたが行ったって、忙しい叔父さんたちに迷惑がかかるだけだと思ったから。
でも、もうそんなことは言ってられないわね。
そういうわけで、改めて叔父さんにお願いして、あなたを連れていってもらうことにしました。
着替えも何も要らないって言ってくれたから、荷物はありません。
仕事は、一から厳しく教えてくれるそうよ。しっかり働きなさい。
それじゃ、一人前になるまで、さようなら。』
突然迎えに来た叔父さん(パパにそっくりで怖い)の車の中で、ボクは震えて泣きながら、ママからのこの手紙を読んだ。
どういうこと? ママはボクの味方じゃなかったの?
ボクはもうずっと、自分の年なんか数えてないよ。だって、子供は親にとってはいつまでも子供だろう?
だから、働かなくたっていいじゃないか……! いいって言ってよ……!
(完)
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