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青春は眩しくてキラキラしている。
それを決めたのは一体どこの誰なのか名乗り出てほしいものだ。
青春を謳歌するという考えはもとよりない。それを放棄した私の心は、燻み淀んでいた。
原因は分かっている。親から無条件に与えられるはずの愛情を受けられなかったことだ。それでも親の代わりに深い愛情を注いでくれたおばあちゃんのお陰で、私は無事に二十歳を迎えることが出来た。
でも、この幸せもおばあちゃんの急逝により途絶えてしまう。
「起きろ、雨宮 絵麻!」
「え、誰?!」
それは、悲しみに暮れる間もなく突然やってきた。名前を呼ばれて目覚めてみれば、そこには見慣れぬ教師と見慣れぬクラスメイト達。聞けばどうやら私は高校一年生の雨宮 絵麻らしい。
大学生であるはずの私が華の女子高生に戻ろうとは誰が思っただろうか。少なくとも私は思っていない。
クラス中の視線を浴びながらも意外に私は冷静だった。恐らく、これはおばあちゃんの仕業だろう。幽霊となって現れたおばあちゃんは私に未練解決を請いてきたのである。
三つの秘密を探してはくれないか、と。
全ての始まりはそこからだった。
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