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品のいい感じ、物腰の柔らかそうな女性だった。白いブラウスを着て、花柄のロングスカートを履いていた。客室乗務員に新聞を勧められると、「ありがとう、でも結構よ」と言って微笑んだ。
澪は、女性の隣に座った。
澪は、ノートパソコンを鞄から取り出し、残りはキャビネットに収納し、仕事を始めた。飛行機自体、乗り飽きていたし、退屈して時間を持て余すより、仕事をしていた方がよっぽど有意義だと思っているからだ。
すると、隣の老婦人が、澪に話しかけてきた。
「こんな時期に、飛行機の中でまでお仕事だなんて大変ね。でも飛行機の中でパソコンで仕事だなんて、デキる女って感じでかっこいいですね」
「こうしていれば、ナンパ目的の男たちに話しかけられることも無いでしょう? 」
そう言うと、老婦人は「そのとおりね」と言ってほほ笑んだ。
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