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「ね、ホワイトチョコも作って2色にしたりしてもいいんじゃないかな?」
「でもホワイトはちょっと作りにくいのよね。溶けにくくて固まりにくいし」
「あ…そうなんだ」
ミサトに一蹴されてしまった。
結局ハートの型だけカートに追加してレジに並ぼうとすると、
「あ、待って!もうひとつ買いたいものがあるの!」
とミサトが呼び止めた。
そして、ギフト用チョコのコーナーに向かう。
「ん、これにしよ!」
しばらく棚を眺めていたミサトがブルーの包装紙に包まれた、中学生のおこづかいには少し高価なチョコを手に取った。
「それは?」
「本命チョコ」
「えっ!」
「ミサト好きな人いたの!?」
驚くレイラと私にミサトがうふふと笑う。
「えっ、誰、誰?」
レイラが珍しく食べ物以外のことで興奮ぎみになっている。
「うふふ、ヒミツ♪」
「でも本命がいるなら友チョコとか作らなくてもいいじゃんね?」
「逆よ逆。配るきっかけがないと渡しにくいじゃない」
(…そりゃそうだ)
私だって友チョコあげるから、とか言わなきゃとても千早にチョコなんて渡せない。
もう何年もそうやってチョコを渡せないバレンタインを過ごしてきたんだもの。
ミサトの気持ち、わかるなぁ。
買い物を済ませてミサトの家に向かう。
「さぁって!頑張るぞ!」
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