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「逃げろ! エリカ」
剣が砕け、牙が切り落とされるのと同時だった。
一瞬前までエリカの喉笛があった位置を、聖剣が通過する。後ろに転がって距離を取り、再び立ち上がりながら、エリカは見た。
俺も見た。
「「「ファ~~~~~~~ック!!!!!」」」
エムジィの使い魔たちが、少女の腕の一振りで切り裂かれるのを。
千々に舞う布切れと化した彼らが、再び寄り集まるのを。
無限にあるかと思われる、包帯へと姿を変えるのを。
包帯が、少女の聖剣に巻き付き、刀身を覆い隠すのを。
そして――
〔ばっくりばくんちょ~~~っ! なのじゃ~~~っ!!!!〕
神獣が残った半身を起こし、その獅子の顎で、背後から少女をひと呑みにしたのだった。
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