緑燃ゆる

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「夏生のバカ!一人で勝手に決めんなっ!」 突然大声を出した俺に夏生は目を見開いた。 「流されたとか言うなよ。俺はしたかったんだ!夏生は違うのか?」 怒鳴った勢いで助手席から身を乗り出し、夏生の胸倉を掴んだ。俺の剣幕にかすかに戸惑ったあと、唇を噛みしめた夏生が眉根を寄せて目を閉じた。 「目閉じてなかったことにすんな、答えろよ!」 怒りに任せて引っ張ろうとした手首を掴み返された。ごつい指がギリギリと締め上げてくる。驚いた俺の身体を下腕で助手席に押し付け、横から大きな体が覆いかぶさってきた。鼻先が当たるくらい顔を近づけた夏生の低い声がした。 「お前は……いいのか?」 いつも穏やかな瞳に獰猛な光。考えるより先に頷いていた。 唇を開いて舌を見せると噛みつくようなキスをしかけられた。 左手で顎を掴まれ舌がねじ込まれる。その強引さと性急さに欲が煽られた。身体を押えこむ腕を押しのけて首に腕を回し、広い背中を引き寄せると汗ばんだシャツを通して鼓動が伝わってくる。 一秒でも早く繋がりたくて舌で誘い合った。 長身を窮屈そうに動かしてコンソールを乗り越えた夏生が、手探りで助手席を後ろにスライドさせ、背もたれを倒して俺に覆いかぶさってくる。 重なる体重と体温に、喜びで身体が震えた。
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