電車の中の彼女

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僕は、また、頭に疑問符が二つぐらい付いたけど、そんな事どうでも良かった。 その時は、彼女と話せるだけで幸せだった。 その後、真里と学校の事や受験勉強の事とかを話した。彼女も僕と同じ東大 文Ⅰを狙っていることが分かった。そして、菊名の駅に着く前に彼女が言った。 「今日、学校は何時に終わる?」 えっと思って、僕は真里を見つめた。 「今日は、塾も無いから、16時くらいには電車に乗れるかな・・」 真里は頷いて言った。 「日比谷線だよね。それじゃ中目黒のスターバックスで待ち合わせしない? そうね16時半で」 僕は、ビックリした。これってデート?? 「分かった、それじゃ、16時半に・・」 真里が頷くと、丁度、菊名に到着してドアが開いた。 彼女の友達、加奈さんが乗り込んで来て真里の横に立った。そこから中目黒まで、真里は僕に一度も話しかけなかった。 電車が中目黒に到着して僕は立ち上がった。 「忘れないでね。16時半よ!」彼女が言った。 僕は、ああと言って電車から降りた。 その日の授業は殆ど頭に入らなかった。 放課後が来るのが本当に待ち遠しかった。 そして放課後、僕は16時20分くらいにスターバックスに着いた。 見渡すと、真里は、まだ来ていない。     
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