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「まあホコ天にも出れたしそれが目標だったんだからいいんじゃね、帰ろ」僕はそう言って振り向いた。
「オンドリャアア!!、もういっぺん言うてみい!!」(ガコ! バキ!)ジェイムズが人垣外れたところで喧嘩相手に馬乗りになってパンチを浴びせていた。相手の鼻血が痛々しい。
「ほっとこ。俺たちゃ無関係、無関係」
「どうせ俺たちのこと馬鹿にされたんだろ」瑠一は言った。
ちょうどその時だった。
「ちょっと待ってくれる?」背の高いヒョロッとしたお兄さんが僕らに声をかけてきた。
長いソバージュの髪を後ろに縛ってグラサンしてピンクのペイズリーのシャツ。
「クウォータームーンですよね、君たち? 私、カムラッド音楽事務所の加藤と申します」
そういって名刺入れから数枚の名刺を出してきた。
「はあ」
「オーセンティックなのに新しいですよ。あなたたち。やり方次第じゃないかな。インディーズとか興味ある?」
突然のことでみんな顔を合わせた。ハルが準に肘テツをした。
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