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第2章 全力ハイスクール
僕は今でも忘れない。女子の飲みかけのジュース、しかも沙緒里が自分から渡してきたのだ。
「あ、うん」そう答えて、さも自然体を装うように僕はジュースを口にした。心臓が破裂しそうだ。こんなにドキドキしたのは初めてのことだった。
みんなが海に泳ぎに行って、僕と沙緒里はパラソルの下で2人きりになってしまった。
「なんか、あれだね。みんな子供っぽい」沙緒里は遠のく仲間を見ながらつぶやいた。
「そ、そうかな。俺もだけど・・・」僕はリュックの中からうちわを出して彼女に渡した。
「庄司君は、いつもみんなに気を遣って、それでいて目立っていて大人だなって思うよ」沙緒里の赤い花柄のビキニがたわわな胸の間に秘密めいた谷間を作っていて、僕は思わず目をそらした。
「さ、沙緒里ちゃんも、目立ってて、可愛くて有名だよ」僕はうちわを奪い取ってみせた。
「うそ。庄司君、みんなにそう言ってるんだ」
「ちがうよ。クラスの中で、なんかお互い惹かれてるなって思ってた」僕は賭けに出た。
「フフ。そう言っていままで何人の女子と付き合ってきたの?」沙緒里は鼻で笑った。
「13人」
「サイテー」
「ハハハ。13人の男とは付き合ってきたかな」
「どこまでが本当か分かんない、庄司君のバーカ」
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