第4章 まさかのデビュー

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第4章 まさかのデビュー

ザ・クウォータームーンは就職の恐怖と反比例して、人気になっていった。原宿でフラフラ働いているジェイはどこそこかの人脈を使って、バンド名の三日月をデザインしてバッジやロゴ入りTシャツ、キーホルダー、シールなどをたくさん作った。ジェイのおかげでグッズがたくさん売れるようになった。150人規模のワンマンはいつも行列ができて、中高生も多くなった。 そして秋。ルビーズの奈々さんの紹介で「ドンキー大爆発」というお兄さんたちのバンドのホコ天場所をしばらく貸してもらえることになった。代々木公園の交番からすぐのかなりいい場所だった。憧れのホコ天。聖地ホコ天。儲かりはしないが、勲章がほしかった。  しかし壁が立ちはだかった。金だ。機材である。ハルのドラムの輸送。僕らのアンプ。PA(音響を全てセッティングし操作する人)の手配。今まではライブ会場備え付けの機材を使ってきたが、野外には何もないのである。PAさんの会社に全て丸投げすれば、毎週15万はかかる。お客にはファンにヤジ馬になってもらうだけだからお金は取れない。     
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