プロローグ

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少女の目から涙がポロポロこぼれ落ちた。 「ん?これが人間達の言う涙と言うやつですか」 少女は涙を拭いもせず、人差し指を立て、天を指す。 人差し指の上に黒い毛玉のようなものが出来、ぐるぐると凄まじいスピードで回った。 少女の長い綺麗な髪の毛が風に煽られて暴れる。 黒い玉はどんどん大きくなり、少女の背丈の3倍程の大きさとなった。 「てめぇ。どういうつもりだ。冗談じゃあ済まされねぇぞ!」 髪の長い少女と対面して立っている別の少女が怒りに震えながら吠える。 「自分が何をしているか分かっているつもりです。でも、胸が痛くてたまらないのです。この痛みを止めるためにはこうするべきだと私の本能が告げてます」 少女が対面に立つ少女に向けて、上げていた人差し指を振り下ろすと黒い玉は飛び、次の瞬間、辺りは閃光に包まれた。
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