第4分岐 真実の代価…

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電話を無視し続けると、目の前に 電話相手が現れる。 汗だくになりながら、涙をボロボロこぼして 携帯電話を右手に握りしめていた。 「ばか!電話にくらい出てよ!」 携帯を投げつけられた。 とっさにキャッチしまう。 当たったら痛いしな 「なんで学校辞めるの! なんであたしには処分がないの! 先生はなにをしたの!」 質問攻めだな。 まあ、わかっていたから 電話に出なかったのだけど… 聞かれた事を1つずつ答えていくため 近くの公園のベンチに座る。 飲み物を飲ませて落ち着かせ 1つずつ回答した。 「なんで先生だけ罰を受けるの? あたしも一緒じゃん!責任をとります あたしも何かの罰を受けさせて!」 また涙を零し、言い寄られる。 「夏奈、いいか? 責任を取れないから子ども 責任を取れるから大人じゃないんだ。 未成年はな、 責任を取る 取らないじゃない 学ぶんだ。 責任が掛かる事 責任の取り方 そして責任の取らせ方を… おれはそう思っている。 だから今は責任を感じる必要は無い。 これからの夏奈の糧にしてくれればいい」 おれが思う責任論を話す。 「じゃあこの学校にあたしを置いていくのは 責任の取らせ方を教えてくれてるの?」 下を向く夏奈が顔上げ、おれを見る 「そうだ。 そしてもう1つ、 夏奈にはおれの責任と夢を託す。 女子バスケ部全国1位。 その夢の果てを見れないのが心残り」 そう言って空を見る。 下を向いてると涙がこぼれそうだった。 やっぱり女バスには愛着がある 3年間練習を教え、成績も上がって来ていた。 こんな中途半端で終わりたくなかった でも、おれには時間がない… 「先生がみんなに約束したことじゃん! あたしには無理だよ」 夏奈はまた下を向く。 下を向く夏奈の頬っぺたを持ち、 「大丈夫、おれのすべてを夏奈に教えた 夏奈がまとめれば、絶対にできる。 頼んだぞ」 夏奈はまた涙を流し、何度も頷いた。 背中をさすって落ち着かせ、 夏奈を学校に戻した。
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