第5分岐 2人目

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あの日は雨が降っていた。 おれは旅行帰りに眠りにつき、 車は高速道路を走る。 雨の影響もあり、高速道路の規制も 80キロから60キロに変わっていた。 そんな中、100キロは越そうかというスピードで トラックが走る。 そのトラックはスリップし前の車に当たり 事故を起こした 後ろを走っていた、おれを乗せる車は 避けきれずそのトラックに追突する。 あとからあとから、玉突き事故が起き 大きな事故になった。 事故が起きて、怪我をした人達は 次々と救急車で運ばれて行く でもおれだけは、 鉄骨が綺麗に肝臓だけを貫き 意識はなく、動かすのも危険だったらしく 後に回された。 その事故の中に、偶然恵理香がいた。 最初にトラックがぶつかった車が 恵理香を乗せる車だったみたいだ。 恵理香はアタマと胸を強く打ち、 意識不明の重症だった おれと恵理香は同じ救急車で運ばれた。 恵理香はなんとか助かりそうだった… でもおれは完全に肝臓機能が停止し 肝臓の移植が必要だった。 そして唯一の適合者が 恵理香だった。 日本ではまだ肝臓や臓器移植が認められていない でも臓器移植を視野に入れ、 設備投資などをしている病院にたまたま 運ばれ、移植の話しがでる 恵理香の親は当然、拒否した。医師が 今の恵理香の状態だと移植してもしなくても 目が覚める確率は変わらない。 一瞬、本当の一瞬だったらしい 恵理香が目をうっすら開け 「移植をしてあげて」 そう言ってまた目を閉じた。 なんでそう言ったのか… 本当に不思議な現象だった… 恵理香の親は驚き、しぶしぶ、了承し 恵理香の意見を尊重してくれた。 そのおかげでおれは恵理香の肝臓を半分 もらって一命を取り遂げた。 目が覚めた時に、恵理香が隣に寝ていて 目覚めたおれに 親父がそういう風に話してくれた。 おれが退院する頃には恵理香も目覚め 中学で再会した。 再会して おれは誓ったんだ。 何があっても 恵理香だけは守ろうと… まあ向こうは何も知らないだろうけどな…
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