第5分岐 2人目

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冴島と咲世子と別れ、またチャリを漕ぎだす 2人がいるのにお構いなく飛び乗る恵理香 二人が遠くなってきて 「あのさ、付き合うのは嬉しいけど、 えりって彼氏いなかったっけ?」 と聞く。冷静になって考えて見ると 1ヶ月前くらいに 彼氏ができたって言ってたな。 「別れるよ!新って決めたもん」 気持ちは嬉しいけど、付き合って1ヶ月で フラれるのって嫌だな… あー、でも 中学生の恋愛なんてそんなもんだったな 「そう言えばもうすぐだな、県大会予選。 今のメンバーで全国行けたらいいけど」 1回目の時は、県大会の決勝で負けた やり直してるんだし、全国大会行ってやりたいな 「あたし男バスのマネジしょうかな」 恵理香がボソッ言う。 恵理香がマネジするなら 俄然、燃える 「それおもしれーな!ありあり」 思わず口から出た。 でもうちにマネジ制度あったっけ? そんな何気ない話をしてるうちに 恵理香の家に着いた。 恵理香をチャリから降ろし帰ろうとすると 「あらたー!」 恵理香に呼び止められる ん?なんだ?と思いながら振り向く。 夕日の光に照らされ、眩しくて手で目を覆う。 春から夏に変わる、少し暖かくなった風に乗って 恵理香の匂いがして、 続いて恵理香も飛び込んで来る そのまま唇を奪われた。 あまりにも突然すぎて、目を閉じるのを忘れ、 抱きしめる事すらできなかった。 「これあたしのファーストキスだから また明日、バイバイ」 夕日のせいか、恥ずかしいせいか 恵理香の顔は赤く染まっている。 おれもファーストキスだわ なんか、情けない。 告白もキスも、男のおれからしなくちゃ いけないやつじゃん… 恵理香は手を振って家に入っていく 嬉しさ、半分 悔しさ、半分 複雑な気持ちを抱き、家に帰った。
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