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もう恵理香の話はよそう
咲世子のためにも
自分のためにも
恵理香との思い出は
綺麗なままに
そして
恵理香とお別れしよう。
その日はそのまま学校に行き、
授業をする
幸い、午前中の授業ばかりだったので
昼過ぎには帰らせてもらった。
家に帰り、仮眠をとる
二時間ほどしたら咲世子が起こしてくれる
目を覚まし、風呂に入り
家族で喪服に着替え、恵理香の実家に向かう
今日は通夜だ
同級生と会社の同僚だろうか?
たくさんの人が集まる。
オレ達も列に並び
香典を渡し、名前を書き
会場に入る。
「新くんと咲世子ちゃん?」
恵理香のお母さんが声かけてくれる
目は充血しクマもひどい
あれからずっと
起きて準備をしていたみたいだ
「新くん、昨日はごめんね。
現実が…
受け入れなくて…」
また泣き出す
おれも泣きたい
でも決めていた。
おれは悔いるために来たんじゃない
恵理香とお別れをしにきた
笑顔でさよならをしたかった。
お母さんを落ち着かせ
咲世子と焼香をして帰った。
明日の告別式で本当に
さよならだ…
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