第3分岐 ifのための対価

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時は過ぎて… 10年後… 「お父さん!はやくー」 今日は長女、美鶴の誕生日 「走るな、危ないぞ」 走る美鶴に笑いながら言う 「もう子どもじゃないし! それより早く行こ」 美鶴の希望で携帯を買いに行く途中だ 恵理香が死んで 10年… あっという間だった。 恵理香が死んでから オレは咲世子や子どもたちと 真剣に向き合う事ができた。 それが普通なんだろうし 当たり前なんだろう なんで向き合えなかったのか 今では不思議だ。 「お父さん!これがいい?」 美鶴が手に取ったのは ピンク色のコンタクトと水色の時計 え?携帯を買いにきたのに? って思ってる? これが今の時代の携帯なんだ。 この時代になると携帯の画面は コンタクトレンズになった。 瞬きで操作ができる ちなみに本体は水色の時計ね この時計で画面をつけたり、消したり 電話がかかってくると横に小さな イヤホンがある。 それを耳に入れるだけで会話できる。 もちろんまだスマートフォンやアンドロイド iPhoneも存在する。 「そちら最新機種ですね! 今なら学生応援キャンペーンでそちらの機種 27万円ですね!」 う、うん。なかなかの金額だな コンタクトの加工賃が恐ろしく高い 「たっか!やっぱやめた!」 美鶴が遠慮して、携帯を置く それを見て 「誕生日なんだ。好きなの買えよ お父さんが出してやるから」 美鶴の曇った顔が一気に晴れた! 「お父さんありがとう!」 飛びつく美鶴。 「いいから飛びつくな!」 嬉しいけど、恥ずかしい そのまま腕を組まれ、レジに行く。
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