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その事を桃太郎に伝えた。 「なんだか、こっちが悪者みたいだな」と桃太郎も思案していた。 「でも鬼達は、村人から盗んだ財宝を隠し持ってるって噂だぜ」と猿が言った。 すると「あっ!ワンちゃんだ!」と突然後ろから、子供の声がした。 「しまった!見つかったか?」と皆んなで慌てていると、犬が鬼の子供にトコトコ近づいて気をそらした。 そして鬼の子供はそのまま、犬を連れて嬉しそうに仲間の所まで戻って行ったのだ。 「あいつ、おいら達が見つからないように気を引いたのか?」と猿が言った。 「自分を犠牲にするとは、天晴れなやつだ」と桃太郎も感動している。 「成仏して下さいよ」とキジは祈った。 まだ死んでないって! しばらく様子を見ていると、犬は飲めや食えやで大歓迎されていた。 「何か、凄いご馳走食べてますね」とキジは羨ましそうに見ている。 「何だよあいつだけ!よし、おいらも」と猿が飛び出した。 「あっ、やめろ!お前は犬と違ってそれ程可愛くないぞ!」 桃太郎の言った通り、猿を見るなり鬼達は顔色を変えた。 「何処から来やがった?さては宝を盗みに来たな!」 鬼達は金棒を振り回した。 「ええ?おいらにもご馳走分けてくれよおー!」と猿は逃げ回っている。 仕方がない。 桃太郎は、タスキをおでこに巻いて飛び出していった。
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