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「俺は鬼退治に、鬼ヶ島まで行くところだ」 「鬼ヶ島?あの鬼ヶ島か?」と猿は知っているような口ぶりだ。 「お前知っているのか?」 「ああ、一度行った事があるけど危ない所だぜ」と猿は毛を逆立てた。 「ならば道案内してくれないか?」 桃太郎の依頼に、猿は少し考えた。 「だったらその大福を1つくれよ。そしたら案内してやるよ」と、もうヨダレが出ている。 「これでいいのか?ほれ」と桃太郎は、切り株の上に置いてある大福を渡した。 「何だこれ?少し茶色いな、きな粉か?」と猿は一口、ガブリとかじった。 「ああ、それは先程、馬の糞の上に落としてしまったやつだ」 ぶおーっ!猿は大福を吐き出した。 「てめえ!舐めてんのか!」 「ちょっとふざけただけさ。ほら、新しいのをやるよ」と桃太郎はやっと白い大福を渡した。 「食っちゃったじゃねえか!それなら食う前に言えってんだよ!」 かくして猿の案内で、2人は鬼ヶ島へと向かい始めたのであった。
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