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そして峠を越えて川沿いを歩いていると、川のほとりで犬同士が喧嘩をしていた。
どうやら、餌の取り合いの様だ。
桃太郎は立ち止まった。
すると猿は「おい、やめとけよ。止めたところで餌の取り合いは野生動物にとって、日常茶飯事の事だ。切りがないぜ」と最もらしい事を言った。
「いや、俺は小便を…」
「止めないのかよ!こらっ!小便を川にするんじゃねえ!」
そして餌を取られた犬は、その場にしゃがみ込んだ。「腹が減っているのか?」
桃太郎は後ろから声をかけた。
「情けは無用です。僕が弱いから当然です」と犬はマイナス思考の様だ。
「はら、これを食え。婆ちゃん自慢のいちご大福だ」と桃太郎は大福を、犬の目の前に置いた。
「こんな見ず知らずの犬に、情けは無用です。それにそこまでしてもらう義理もありませんし、決してお腹が減ってる…訳では…ムシャムシャ」
「結局、食うのかよ!」取り敢えず、猿は突っ込んだ。
そして犬は空腹を満たしてくれたお礼にと、お供をする事となった。
猿は犬を見ながら、何でお前の大福には馬の糞が付いて無いんだよ…と未だに納得がいかない様子であった。
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