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そして、" 自称 " 鬼が一気に急降下を始めた。 「来るぞ!」 全員が身構えた。 パクッ 「今だ!」と桃太郎は桶の水をぶっかけた。 「うわっ!なんだあ」と、" 自称 " 鬼は濡れた羽をばたつかせたが、上手く飛べない。 そこに犬が、くわえた引網を投げつけた。 「うわあっ!」 そして、" 自称 " 鬼は観念した。 「お前、キジだよな?」桃太郎が確認した。 「はい、キジです」と正直に答えた。 「何で鬼なんて嘘をついたんだ?」今度は猿が質問した。 「鬼に強い憧れがあったんです。村人から鬼だと呼ばれるたびに、なんだか強くなった気がして…」とキジはしゅんとしている。 「どんな発想だよ!こいつ、焼いて食っちまおうぜ」と猿が桃太郎を見ると… 「分かる…分かるぞお!」と桃太郎は号泣していた。 こいつ、何で泣いているんだ? 「俺も昔から憧れが強かった。お前を他人とは思えん!」他人と言うより、他種であろう。 「俺達について来るのなら、お前を許す」と桃太郎は断言した。 「僕を許してくれるんですか?」キジの目は、涙でうるうるしていた。 そして3匹の共を従えて、いよいよ鬼ヶ島に乗り込む支度は整った。 勿論、主人から金銀を貰っているので軍資金に困ることも無い。 先ずは腹ごしらえだ。 「何が食べたい?」と話している桃太郎、猿、犬が全員「焼き鳥かな」とキジを見た。 「嘘でしょ?冗談はやめて下さいよ。それより、早くこの網から出して下さいよ!」 網と一緒に引きずられているキジであった。
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