42人が本棚に入れています
本棚に追加
/97ページ
翌朝。
「マスター、華京院さん」
賢治がまだ準備中のプレートの掛かっている喫茶星月夜に飛び込むと、マスターと華京院はのんびりと朝食のサンドイッチを食べていた。
「兄さんどうした? お嬢ちゃんと一緒じゃないのかい?」
華京院が不思議そうに訊く。
「陽菜ちゃんは学校に行きました。送って行こうかって言ったんだけど、天狗さんに送ってもらうのは校則違反かもしれないからって、自転車で。俺もあとから行くんだけど、ちょっと訊きたいことがあって寄ったんです。華京院さんが今朝もここにいてくれてよかった」
「あたしゃここで客を占う事が多いから、大概ここにいるよ。で、何が訊きたい? 扉はまだ開く気配はないよ」
「俺、天狗なんですよね。だったら飛べますよね」
「は?」
マスターと華京院が同時に目を丸くした。
最初のコメントを投稿しよう!