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四章
次の日。朝七時半の教室に、ネクタイをキッチリ締めた舞が入ってくる。
「待ってたよ! 舞」
「全く、朝っぱらから呼び出して何ですか貴女は」
舞は文句を言いながら教卓の上に座る僕の脚に目を留める。
「今日は女装じゃないんですね」
「柄じゃないからね」
僕は笑みを浮かべながら教卓を降り、舞に向き合った。自信は充分だ。
「僕は君が好きだ」
舞が腕を組みながら不敵に微笑む。
「……私の好みは女性らしい人なんですがね」
「僕は舞の好みの女性にはなれそうにないけれど、僕にはそれが無くても充分以上に魅力があるだろう? 僕の彼氏にならない? 後悔はさせないよ」
悠然と微笑む僕の顔を見て、ついに舞は声を立てて笑い出した。
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