四章

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「あははは! 馬鹿みたいに前向きですね貴女は!」 ずっと笑いっぱなしなので僕は彼を急かす。 「笑ってないで返事をくれよ」 「……返事? そうですね……」 お腹を抱えていた舞は僕の顔をじっと見た。 「自信の権化のようで鼻持ちならないし、きっぱりフッたのに昼休みのたんびに顔を出すし、鬱陶しいと思ってましたよ」 駄目か、でも悔いはない。そう思った瞬間、舞がふわりと微笑みながら手を伸ばした。 「でも、私だけを真っ直ぐに見てくれるその瞳は、悪くなかったですよ。昨日の昼休みに顔を出さないから、思わず足が動いてしまいました」 舞が僕の身体を自分の方に引き寄せる。彼の肩に頭を乗せると、彼の心臓が跳ねているのが、身体に伝わった。
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